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叡知の言葉104

この現実界にあっては、「すべて物事は一長一短」というのが、「宇宙の大法」の一面です。
この点について最も深刻に想いうかべられるのは、ここ数年来のわが国の物質的繁栄です。
たしかに、すべてが便利になって有り難いことですが、ひとたびその外皮をはいで見たら、
そこに露呈されるのは、精神の頽廃と弛緩の他ないといえましょう。

『幻の講話』

「宇宙の大法」の響きに比べて、「物事は一長一短」という言葉はひどく平凡に聞こえるかもしれません。
しかしこれは易の哲理の一つです。

分かりやすく言うと、宇宙全体のエネルギー総量は一定である、というものです。
それゆえ、ある部分でプラス面が大きくなると別の部分でマイナス面が生じ、ある時期に繁栄して頂点を
極めると、やがて衰退していくことになります。

こういう哲理を学んでいた森にとって、戦後の日本の高度経済成長も手放しで喜べるものではありませんでし
た。

むしろ、日本が物質的に豊かになればなるほど、貧しく困難な時代に持っていた精神的な美徳を失くしていく
ように感じられたのです。そこには、戦前・戦中の苦難を生き抜いて来た人間としての思いも込められていたで
しょう。

「精神の頽廃と弛緩」というのは確かに厳しい言葉です。
しかし、バブル時代を記憶している人たちにとっては、うなずける点も多いと思います。

むしろ、バブルが弾けた後の長い不況や、その間の二度の震災など苦難の時代の方が、
日本人の美徳がより発揮されたと思うのは私だけでしょうか。

物質的豊かさは、もちろん必要です。
しかし、景気が上向きかけた今だからこそ、森のような先人の言葉に謙虚に耳を傾けることが必要なのだと
思います。

作家 宮下隆二