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叡知の言葉108

すべて身を以てしない事柄というのは、之を人に施すにあたり、見当のつかないものです。
自分でやってみてはじめてその利害得失の推察がつくものです。
自分でやらないでただ理屈だけで正しいと見たことを人にやらせるとなると、
その裏面の長短には察しがつきにくいものです。
そうしてこの点が、一般に政治が失敗する根本原因かと思うのです。

『「南洲翁遺訓」講録』

これは遺訓の十四、「入(い)るを、量って出(い)ずるを制する」という会計の原則について述べた部分の解説
です。

ところが森は遺訓の内容を直接解説する代わりに、建国大学での自分の体験について語り官僚批判を
しています。森によると、官僚的気質とは、「表面的な現象しか見えていないのに、官の威光で以て威張って
いる」ということです。

それに続くのが、今回引用した部分です。
要するに、自分で実際に体験していないことを、頭の上だけで考えて人にやらせようとすると、必ず失敗する
ということです。

おそらく建国大学だけでなく、軍部も含めた当時の国の官僚全体に同じ傾向があったのでしょう。
日本が無謀な戦争に突入し、また各地で補給を無視した無茶な作戦が実行され多くの将兵が命を失ったの
も、そのためだと思います。

これは官僚だけの問題ではありませんし、過去の話と片付けることもできません。
現代でも、実情に合わない規制や法改正が、かえって現場に混乱をもたらすことはあります。

また企業でも、大企業になればなるほど、現場の実情が本社やトップに伝わりにくくなります。
本社が机上で考えた計画を現場に押し付け、失敗することもよくあります。

最近では、ある有名牛丼チェーンがそうでした。
深夜に一人で勤務するワンオペの過酷さに加え、手間のかかる鍋メニューを導入したことで、
スタッフが大量退職し現場は崩壊しました。
その後、様々な改善策を実施しましたが、いまだに業績は回復していません。

これは決して特殊な事例ではなく、どの現場でも起こりうることです。
それを防ぐには、人の上に立つ立場の人間がここでいう教訓を理解し、自戒する以外にありません。

作家 宮下隆二