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叡知の言葉121

団地は新たなる部落ともいえましょう。
随って、団地に古来の民族的な伝統をどう加えてゆくかが今後の問題でしょうね。
都市計画の際にも、こうした点も考えなければならないでしょう。

『「日曜読書会」語録抄』

高度経済成長期には全国にニュータウンと呼ばれる集合住宅(団地)が建設され、
仕事を求めて大量に都会に移住した地方の若者たちの住居面での受け皿となりました。

ニュータウンでの生活は、戦後の新しいライフスタイルとして脚光を浴びました。
それは単に洋風の生活への憧れのためだけではありません。

姑も小姑もいない、両親と子どもだけの核家族での暮らし。
集落の細かいしきたりや、冠婚葬祭の煩雑さや負担もなく、自由でのびのびとした生活。

こういった点が、古い時代の慣習や束縛にうんざりしていた若い世代の支持を得ました。
ニュータウンはある意味で、戦後の自由な生活の象徴だったのです。

ところがそういう時代に森は、「団地に古来の民族的伝統をどう加えてゆくか」を論じています。
戦後の若者たちが捨て去ったものを、どう残すか考えようとしたのです。

当時はいかにも時代に逆行しているように見えたでしょう。
しかしこれは大変な先見の明でした。というのは、全国各地でコミュニティーが崩壊しているからです。

古い集落の様々な伝統的慣習は、時に煩わしく思えますが、それが人々を一つに結び付けていたことも
事実です。それが失われた時、人々の心もバラバラになりました。

都会のマンションでは何年住んでも隣人の職業すら知らず、壁一枚隔てた隣で誰かが孤独死していることにも
気付きません。それをまた、不思議にも思いません。

これはまずいのではないか、と世の中が気付き始めたのは近年のことです。
各地でコミュニティーの再生が叫ばれている今、時代がやっと森に追い付いてきました。

作家 宮下隆二