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叡知の言葉127

慎みを失うということは、言い換えると、その人の内的生命力の弱まった何よりの証拠です。
生命がその弾力を失って来ると、慎みがなくなるのです。…驕るということは心のゆるみであり、
生命力が弱まってその弾力性を失うに至ったためなのです。

『「南洲翁遺訓」講録』

『南洲翁遺訓』の二十一条を森が解説した文章からの抜粋です。南洲翁とは、言うまでもなく西郷隆盛のこと。
まずざっと流れを説明します。

この条で西郷は、人が成功するのは己に克つからだ、と言います。
そして、歴史上の偉人のうち、事業が七、八割まで成功したところで転落するのは、その精神が慎みを失い、
自分自身の欲得を優先させるようになったからだ、と続けます。

森はこの「慎み」という言葉に注目しています。
この言葉には謙虚さに通じる意味があり、語感としてはそれほど力強いものではありません。

しかしこれを森は、生命の内的緊張感と捉えました。ともすればあふれ出ようとする欲望を、
抑えて外に出さないのが慎みだと考えれば、これは非常に納得のいく説明です。

つまり自分をコントロールするには精神力が必要なのです。
だから、この力が失われると、次に驕りが出てきます。
その驕りによって公私混同が始まり、周囲の信用を失って転落するのです。

これは一種の失敗の法則といっていいでしょう。
現代でも有名な経営者や政治家が、部下に背かれたりスキャンダルにまみれたりして、突如として失墜する
ことはよくあります。

人は権力の座に長くいると、どうしても感覚がおかしくなります。
ですからよほど注意をして自らを省みる習慣をつけないと、気付かぬうちに失敗の種を蒔くことになるのです。

森は生涯在野の人間で権力とは無縁でしたが、常に緊張感を持って己を律し続けました。
だからこそ言える言葉だと思います。

作家 宮下隆二