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叡知の言葉137

常に一流の書に親しみて、この現実の天地人生を統一的に見る眼が開かれて居れば、
一々の授業の中にも、大宇宙の映現としての一小宇宙を見るを得む。
このとき身はたとえ田舎の一小学校にあるも、よく天地の間に卓立するを得む。

『下学雑話(三)』

森が戦前天王寺高等師範で、将来の小学校教諭の卵たちに道徳を教えていたことは、すでに何度も紹介して
います。

当時の師範学校は官費でしたから、経済的理由で学問を続けられない若者たちが集まっていました。
この文は、学問への志を失わないように、という彼らへのメッセージです。

表現がやや難解ですので逐語解説をしていきます。
常に一流の書に親しむとは、単なる読書ではなく、高いレベルの学問のことです。
人間学の要素も入っているかもしれません。

この現実の天地人生を統一的に見る眼を開く、というのは一種の悟りの境地ですが、もう少しわかりやすく言う
と、物事の本質を見抜く目を養うことでしょう。

大宇宙の映現としての一小宇宙を見るとは、いわば天空の月と水面に映る月の関係です。
宇宙的真理(天空の月)は日常の体験(水面)に映し出される、という仏教の譬えです。

つまり卒業後も学び続け、真に物事の本質が分かるようになると、毎回の授業の中に世界の真実を映し出す
ほどの叡智がこもるのです。

そして、そのような授業ができるようになった時、一小学校教諭の立場でありながら、天地の間に隠れもなき
存在として世に立てる、という意味です。

これはもちろん、小学校の先生だけの話ではありません。
サラリーマンなど、他の職業であっても同じことです。

高い志を持って学び続け、目の前の仕事に誠心誠意取り組んでいれば、その仕事の中に真実がこもります。
その真実こそが、その人を高みへと押し上げていくのです。

作家 宮下隆二