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叡知の言葉142

そもそも人間のしまりという問題は結局、女と金と酒の三つを見たら大体の見当はつくといって
よい。どんなにすぐれた才能を持っていても、この三つにだらしない人間は、たのむに足らぬと
いってよい。

『真理は現実のただ中にあり』

これは昭和三十年に行われた神戸大学の新入生対象のオリエーテーションの一節です。
「真理は現実のただ中にあり」と喝破した、森流人間学の面目躍如です。

内容については説明するまでもありませんが、つ付言しておくと、人間の才能や仕事能力とその人の人間性と
は必ずしも一致しない、ということです。

人も羨むような地位や名声を得ている人物が、ごくつまらないスキャンダルで失墜することはよくあります。
逆に才能は平凡でも人間として信頼できる方が、結果的に大きな仕事ができる場合もあります。

森はその辺の機微を見抜いた上で、未来ある学生たちに学問の重要性を説く一方、実人生に対して具体的に
どう対処するかのアドバイスをしたのです。

こういったことは普通、哲学者や教育者と呼ばれる人たちは、語りたがらないものです。
それはこの種のことは処世術であり、学問よりも一段低いと見做されているからでしょう。

しかし森の言葉には、それだけではとどまらない深い響きがあります。
それはその背後に人間性への深い洞察があるからです。それが単なる処世術と人間学の違いです。

相手の人物をどう見抜くかは、現実社会で生きていく上での重要事です。
学生たちが将来卒業し、職業人として世を渡っていくに際して、机上の学問よりもよほど役に立つことでしょう。

だから入学早々のオリエンテーションで教えておく、というのはなかなか痛快な話で、森の人間らしい一面を
余すところなく示していると思います。

作家 宮下隆二