「包装」を通じ、あらゆる産業に貢献します。
>>トップページ  >>>NEWS  >>TOPページ
 ・新商品情報
 ・エンゼルコフィン
 ・ほかんくん
 ・宮下隆二のコラムTOP
 ・津島稜の世相を斬るTOP
 ・News VoL.1〜VoL.20
 ・News VoL.21〜VoL.40
 ・最新のNews一覧
 

叡知の言葉69

「恩」とは、
この自己の一切が、自己を超えたものの力によって与えられ恵まれているのみか、
さらに自己の今日に到るまでの一切の歩みもまた、同様に自己を超えたものの力による
とする意味である。

『情念の形而上学』

「恩」という儒教的徳目を、
森は長らく思索の対象とし、それは戦前においてすでに、『恩の形而上学』として結実していました。

この『情念の形而上学』は全一学五部作の最終巻であり、
最晩年の作品ですが、ここにおいてその思索はいっそう深められています。

さて、「恩」というと一般的には、
自分より目上の存在に、「世話になる」という程度に理解されていることが多いようです。
親の恩とか、師の恩という場合も、大抵そうです。

しかし森の考える「恩」とは、もっと根本的なものです。
親は自分を生み育ててくれましたが、
人間が命を与えられ生かされているのは、単に親のおかげだけではありません。

その根源にまで遡ると、結局、人智を超えた大いなる存在に到達せざるをえません。
それを神仏、天、大宇宙生命など、どう表現しようと構いませんが、
そういった存在によって自分は生かされている、
そのことがただ有り難いというのが、「恩の自覚」の究極です。

これは一種の悟りです。
この「恩の自覚」が真に徹したとき、限りない感謝の心が生まれ、それが報恩へと人を駆り立てます。
これは個人的なお礼などではなく、人生を賭けて世の中のために何かしようという行動のことです。

すなわち、「恩」ということが、真に骨身に徹して分かったなら、
ただそれだけのことで、人生を変え世の中を変えることすら出来るということなのです。

作家 宮下隆二