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森信三 叡知の言葉13

終戦以後、敗戦原因の指摘は多くの人々によってなされているが、
自己の内面に敗戦の原因を追求するという立場に立つものは
ほとんど見られないようです。
しかし、これを自らの内に求めない限り、
私たちは自分という一個人の生命すら真の新生を遂げることはできないでしょう。

『国と共に甦る』

戦後まもない頃の著作です。
外地から生命からがら帰国した森は、
甲子園の妻の実家で、しばらく療養と思索の生活を送ります。
この言葉には、満洲の建国大学教授として侵略戦争に加担したことへの、
直接的反省が込められているのは間違いありません。

ただ、もう少し深く読むならば、外界の現象はすべて心の世界の反映だという、
東洋的な価値観が背景にあると思われます。
「自己の内面に敗戦の原因を追求する」という言葉は、非常に深く重いものがあります。

当時においても、現代においても、侵略戦争の責任はすべて軍部にあり、
一般国民は被害者なのだという論調をよく耳にします。
もちろん、それはそれで否定すべきものではないでしょう。

しかし卑近なたとえですが、会社が倒産して社員が路頭に迷ったとします。
その時に、「すべて経営陣の責任で自分は被害者だ」と考えるのか、
「社員の一人として自分にも責任がある。お客様に申し訳ない」と考えるかで、
その人の人間性が顕れるのではないでしょうか。

森は、間違いなく、後者の価値観に立つ人でした。

作家 宮下隆二