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激動の時代を生き抜く「培根」の生き方

拙稿にこの1年お付き合い頂いた皆様に、心から感謝申し上げます。
それにしても今年程、
日本の社会が転換点に立っていることが如実に感じられた年はありませんでした。

政治においては、民主党政権が、普天間に続いて尖閣問題でも拙劣な対応をし、
日本の安全保障が脅かされつつあります。
また、来春卒業予定の大学生の就職率が過去最低(57.6%)を記録したことも、
長期的な社会不安につながりかねない見逃せない問題です。

しかしその中で、将来に希望がまったくないのかというと、私はそうではないと思います。
来日した中国人のブログなどを読むと、
皆日本人の礼儀正しさやサービスの質の高さに驚嘆しています。
日本人が長い年月をかけて培ってきた社会秩序や道徳は、まだ失われてはいないのです。

私がここで提唱したいのは、「培根」という生き方です。
根さえ地中にどっしりと張っていれば、たとえ台風で葉が飛ばされ枝が折れようとも、
必ず蘇ることができます。
逆に根が浅ければ、見かけがどれほど立派でも、一度の嵐で倒れてしまうでしょう。

現代は、歴史上稀な高度情報化社会です。
その中で、知識や技術をマスターすることが、仕事で成功するための必須条件であることは
否定できません。しかしそれだけでは、単に枝葉を茂らすだけではないでしょうか。

苦しみや逆境に耐える力、家族や仲間と信頼の絆をつくる力、
正しい歴史観と人生観に基づき物事の本質を見抜く力。
決断力と、自分の決断に最後まで責任を持つ強い意志。
こういった人間としての根っこを、しっかりと地中に張り巡らせておくことです。

知識や技術は、時代と共に進歩します。しかし人間の本質は、何千年経っても変わりません。
思想や文学等の古典が色褪せないのはそのためです。
歴史の審判を経た名作を味読し、教養を深めておくことも、もちろん大切なことです。

日本の国にとっても、個人にとっても、今最も必要とされているのは、
この「培根」という生き方です。
戦後の高度成長の陰には戦前に培った根が、明治維新以降の躍進の陰には
江戸時代に培った根が、それぞれ地中で支えていたことを忘れてはなりません。

今年1年間は決して明るい話題ばかりではありませんでしたが、目先の現象に惑わされず、
大地に根を培う生き方を続けていれば、必ず将来の展望は開けます。
読者の皆様にとって、来年が素晴らしい年になりますことを祈念し、
今年の締めくくりの筆を擱かせて頂きます。

作家 宮下隆二