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森信三 叡知の言葉19

真実の道は、一体いかにして興るものでしょうか。
それには、「自分が道をひらくのだ」というような一切の野心やはからいが
消え去って、このわが身わが心の一切を、現在自分が当面しているつとめに
向かって捧げ切る「誠」によってのみ、開かれるのであります。

『修身教授録』

真実の道とは、大きく言えば、学問上の新たな発見など、
社会的に認められる確固とした業績のことでしょう。
それを個人レベルで言えば、
一生を賭けるに足る仕事や、生涯を貫く信念になるのではないでしょうか。

しかし、その真実の道を興すためには、個人的な「野心やはからい」は邪魔になるというのです。
もちろん森は、この種の欲望を完全に否定したわけではありません。
個人的欲望は人間を動かす原動力となるが、
そこから悟りに至るには、「徹底浄化」を経ねばならない、としたのでした(叡知の言葉15 参照)。

この文章には、その実践についての具体的示唆が垣間見えます。
つまり、今という瞬間に全力投球することです。
この全身全霊を込めた没入の度合いを、森は「誠」と表現しました。
その時、過去も未来もなく、現在という永遠に続く一瞬だけが存在します。

すなわち、未来への欲望や不安である「野心やはからい」も、当然消滅しています。
これは宗教的に言えば「無我」の境地でしょう。それを実践的道徳として若者に説いたところが、
森の真骨頂と言えます。

作家 宮下隆二