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『小世論』 1

平成23年3月11日の大震災は、日本の歴史に深く刻まれるだろう。
その甚大な影響は、あらためて言うまでもない。
東北地方の多数の生命、財産が滅失した凄まじい惨状は、世界中のメディアによって報道された。
あの日の写真、映像を目にした瞬間、誰もが戦慄を覚えたはずだ。
どれほどの「助けて」という叫び声が、濁流の中に消え去ってしまったことか。

「千年に一度の国難」という人もいる。「日本の存亡の危機」という人もいる。
大げさでなく、その通りだと思うが、家や家族を失った膨大な数の被災者にとって、
重要なことは、誰がどのように救いの手を差し伸べてくれるかに集約される。
「国難」というかぎり、救世主は「国」のほかにありえない。

その「国」は大地震発生直後から、どうしたのだったか。
首相官邸に災害対策本部を設け、首相以下、そろってあの青い防災服か出動服姿で
メディアの前に登場し「早急に救援体制を整える」「被害の状況を把握し、情報収集に努める」と
いったコメントを出した。

そこまではよしとしても、問題はそのあとだった。
「余震に注意」「冷静な対応を」「安全なところへ避難を」という呼びかけばかりが繰り返され、
その一方で「専門家による対策を検討する」という名目で、名ばかりの「対策本部」や「会議」が
20以上も設置された。

何が対策本部なのか、会議なのか。
その間にも瓦礫に埋もれた人や、濁流に流された人たちの生命が見る見る間に失われて
いったのである。青い出動服にひとつの汚れもつけず、
汗にまみれた気配が微塵もない「国のトップ」に拍手を送った人がいれば、お目にかかりたい。
かなりの時間が経過したあと、被災地を「視察」した首相が、被災者を激励した言葉が
「何が一番必要ですか」だったのにはあきれ果てた、

被災者に必要なのは、すべてだろう。

食料、水、燃料、衣類、寝具、医療器材、薬品、通信機器などから始まって、
交通、住居、施設、教育、経済、行政全般に至るまですべてが必要なことは、子どもでも分かる。
それを、政府は、右往左往しながら、
その場しのぎで指示を出しては、すぐに訂正、変更を繰り返した。
いったい、政府の危機管理体制はどうなっていたのだろうか、これまで何をしてきたのだろうか。
私ごときが怒る以前に、被災者は失望したに違いない。

今からでも遅くない。無数にある必要事項を整理し、役割を決め、全官庁、全自治体が
それぞれの責任を果たすよう統一された指示系統、組織を構築していただきたい。

「それでは、早急に専門家の皆さんの知恵を結集して」「予算措置を考えて」…この期に及んで、
まだこんな回答が出ることはないと思うが。
他人や他の組織に責任を委ねるのではなく、国のリーダー自らが決断、実行できなければならない
まさか、
復興予算の分捕り作戦を考えて、政府トップの座に居座ろうとしているのでは、ありませんよね。

作家 津島稜