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『小世論』 2

東日本大震災は発生から2ヶ月以上たっても、復興の目途ははっきりしない。

自然災害の恐ろしさは日本だけでなく、世界中を震撼させた。
アジアの先進国である日本でさえ「想定外」の津波には、ほとんど対策が講じられていなかったこと
は残念でならない。

だが、その自然災害よりも深刻な禍根を残したのは、福島原発の事故。
これは人災である。
さらにその人災の上に人災を重ねたのが、政府であり、東京電力であり、原子力に関連した機関の
役人だろう。

マスコミの前で「ただちに人体に影響を及ぼすことはない」「念のために避難していただきたい」と
何度、政府高官が繰り返したことか。
シーベルト、ベクレルといった聞きなれない言葉と、専門家たちの「大丈夫」「影響が心配」といった
矛盾と無責任の混じったコメントに、われわれは惑わされ続けている。
ここでも「想定外」という言葉がひんぱんに使われ「基準値以内」などという、一貫性のない説明が
耳障りになってきた。

「想定外」だったとは何か。「基準値」とはどういう基準で誰が決めたのか。

10mの高波(津波)を15mに想定しておけばよかったというのではない。
そういうことであれば20m、50m、100mの高波を想定しなければならなくなってくる。
パニック映画でもあるまいし、それが無理だとは誰でも分かる。
私が言いたいのは、
想定外の浸水があった場合に、どのような安全装置が施されていたかということだ。
水だけでなく、火災も地震もあるだろう。防御施設が不能になったり、破壊されたときに、
どう安全を守るかということを「想定」するのが専門家、科学者の知恵だと思う。

同様に「基準値」も何を絶対値として算出されたものなのか。
「基準値内」でも「念のために」とか「水道水も農作物も安全」「乳幼児は摂取しないように」という
言葉が錯綜した。誰のどのような判断で、このような公式コメントが出されたのか教えて欲しい。

そうしたことを、そのまま伝えるマスコミも責任は重大だ。
政府のトップも、マスコミも「ただちに人体に被害はない」というのであれば、
現地で記者会見をするぐらいの意地を見せて欲しかった。
「被災者に勇気を与えたい」「元気を与えたい」という芸能人やタレント、プロスポーツ選手の言葉も
空々しい。
これでは「復興は私の宿命と考えている」と言いながら、無責任なパフォーマンスを繰り返し、
冷笑を浴びている政府トップと変わるところがない。

その点、諸外国の反応は過敏だった。
被爆国である日本よりも放射能に恐ろしさを感じているのだろう。
「ヒロシマ」「ナガサキ」の悲しい教訓は世界の人々の記憶に残っている。
「日本人被災者の冷静さに感動した」という外国のメッセージを賞賛している識者が多いが、
それを賞賛して何が残るのか。
残すべきは原発の「絶対的な安全性」と、被害者をゼロにする日本の最先端科学力と行政力だろう

作家 津島稜