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人相というものは

電車に乗っていて、対面を見ると娘さんが化粧をしている。
十七、八歳だろうか、その行儀の悪いのは別にして、濃いマスカラと、ラメの入ったような
アイシャドウは、この娘さんの顔を、素顔とかけ離れたものにしているに違いない。
私には、とても魅力的には感じられないのだが、若い人には人気があるのだろう。
たしかに最近の娘さんの顔はどれも同じに見えてしまう。

この娘さんが、人目もはばからず化粧をするのは何故か。
もちろん、美しく見せるためだと思う。デートの時間に間に合うよう、彼に気に入ってもらえるよう、
彼女は一心不乱の状態になっている。

さて「美しい顔」とは、どのようなものなのか。
ミロのビーナスか、小野小町か、あるいは原住民の娘か、人それぞれに判断は異なる。
女優やタレントが代表格なのだろうが、われわれの周囲にも、美人は多い。
小さいころは「クラスの可愛い子」がいたし、学生のころは「ミス・キャンパス」に喝采を送った。
社会人になると「職場一番の美人」が必ずいるものだ。
不思議なことに、その評価は、誰もが一致し、異議を唱える者も少ない。

われわれは「美しい人」「可愛い子」はどうして感じ取るのだろうか。
瞳が大きいからか、色白だからか、ぽっちゃりしているからか、あるいはスマートだからか。
要するに、それぞれのバランスがポイントだと思う。自分の女房や彼女を美人だと感じた理由は、
自分にしか分からない。

「美人顔」があれば「悪人顔」があり「善人面」も「不細工」もある。
誰もが「美人」や「善人」の顔のなりたいはずで、幼いころから悪人、不美人を目指した人はまずいない。赤ん坊の顔に邪心がなく無垢なのは、誰もが知っている。
だが、成長するに従って、
個性が生まれ、経験を重ねるごとに「人相」ができてくる。
昔、人間四十歳を越えたら「自分の顔に責任を持て」といわれたものだ。
ふくよかな顔の人もいれば、貧相な顔の人もいる。
その「ふくよか」とか「貧相」を感じるのも、多くの人の感覚が一致するのも、また不思議だ。

テレビを見ていると、この国難の時期に、多くの人が様々な意見を述べている。
頑固そうに自論を主張する学者、偽善を隠して売名行為をする芸能人、そして利己的なことしか
考えていないように思える政治家たち…。
いずれもその「人相」に内心が透けて見えると感じるのは、私だけだろうか。
傲岸で見下ろすような顔の人間、作り笑いで誤魔化そうとする姑息さ、こうした顔は化粧をしても隠せない。

電車の娘さんも、素顔の美しさを大切にして欲しい。青春の表情は、誰もが輝いている。
化粧で劣等感や、卑屈さを隠さなければならないというのは、情けない。

こう偉そうなことを書く自分の顔を鏡で見たら、
これこそ不健康で、独善的な男の顔だということに気づいた。いやはや、お恥ずかしい。

作家 津島稜