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花火とダイナマイト

夏の夜の花火大会を楽しむ人は多い。
花火は、色や輝き、形も音も年を経るごとに美しく、鮮やかになってきた。
花火師の研究や努力の成果だろう。
だが、その花火は火薬であり、爆発する美しさだということを忘れてしまうことがある。
打ち上げの現場は危険この上ないし、当然のことながら、素人が打ち上げ花火を実演することは
できない。そんなことをすれば、たちまち消防署から大目玉をいただくことになる。

あの大発明家のアルフレッド・ノーベルを知らない人は、まずいないと思う。
彼はダイナマイトを発明し、そのビジネスで巨万の富を手に入れたことと、ノーベル賞の創設で
世界中の人々から、これからも長い間、賞賛を浴びるはずだ。
だが、花火もダイナマイトも危険な火薬であり、爆発の威力によって商品価値が上がる。
ダイナマイトのために生命を奪われた兵士はどれほどの数になるのだろうか。
そんな恐ろしいものが、土木事業をはじめ、多くの産業に大きく貢献してきた。
危険極まりないものであるけれども、うまく利用すれば人類にとって有益なものになることは、
学校でも子どもたちに教えている。
花火もダイナマイトも、自然界にはなかったもので、人間が作り出したものだ。
これまでにおびただしい数の犠牲者を出したうえで、長い時間を経て、人間社会に容認された。

これと、原子力発電がよく似ていると思うのは私だけではないだろう。
科学万能社会にあって、原発は安全だと学校でも教えられてきたし、多くの人がその施設で働き、
平気で施設の前を歩いていたものだ。
その周辺では、補助という名目の利権が発生したり、怪しげな政治家や学者が暗躍したことには
目を瞑る。私もそうだが、原発は安全で、将来のエネルギーの中心になる素晴らしい発明だと
信じ込まされてきた。
ところが、今回の大津波被害で、安全神話は崩れ去った。
核分裂という現象は、巨大なエネルギーを生むと同時に、そこから発生する放射能は、
気の遠くなる時間が経過しないと消滅しないことを、ようやく理解できた。

広島と長崎の歴史は何だったのかとあらためて戦慄を覚える。
原爆被害の資料やデータを無駄にしてはいなかったか。平和ボケをしていたのではなかったか。
それにしても、無責任な政府や多くの関係者のボケた顔やコメントを見たり聞いたりするたびに
腹が立つ。

今夜の花火大会を楽しみにしているが、まだ時間が早い。
見上げると真夏の太陽が眩しく輝いている。
そう言えば、地球に生命や希望を与えてくれるあの太陽エネルギーも、核分裂現象だということを
思い出し、複雑な心境になった。

作家 津島稜