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広島とオバマ大統領

オバマ米大統領が広島を訪れた。

これはG7が伊勢・志摩で開催されたのを機会に、広島にも訪れて欲しいという日本政府の要望に米政府が
応じたものだ。これについては長期にわたって日米両政府の間で打ち合わせが繰り返されたようだ。

いうまでもなく日本は世界で唯一の被爆国であり、その原爆を広島と長崎に落としたのが米国。
第二次世界大戦での敵国同士だったが、現在では日米安保条約のもと、親密な同盟国になっている。
過去、現職の米大統領が広島に姿を見せた例はなく、オバマ大統領の滞在日程について、
米国側はかなり慎重になっていたと伝えられている。
それは、米国内で日本に対して「謝罪をする必要はない」という意見が強いからだ。

しかし、広島、長崎両市民は戦後間もなくから、被爆の惨状を世界に訴える運動を続けており、
今回のG7開催をチャンスと見ていた。
広島市民はもちろんだが、被爆者団体なども安倍首相のもとに陳情を重ねた。
原爆ドームや資料館の視察を回避するのは日米両政府にとってもマイナスイメージになっただろう。

G7開催は世界的なニュースになるため、オバマ大統領の行動やコメントは海外のメディアからも注目され
る。各国首脳との会議を終え、専用のヘリで志摩から広島に向かった大統領は、安倍首相とともに原爆祈
念碑の前で献花。原爆ドームを見上げ、資料館も見学したが、極めて僅かな樹間だった。

そして「核廃絶に努力したい」という趣旨の声明を発表した。
それは当然、世界中の人々の耳に届くことを意識して発したものだった。
残念ながら、そこには直前に資料館で見た原爆投下直後の街、被爆者の姿などの感想は全く触れられて
いなかった。

声明文の原稿は事前に用意されたもので、政府・ホワイトハウスの担当者、それにオバマ大統領が文言を
綿密に作成したものだ。これは、原爆投下の是非については明らかにしないということを、訪日前に決めて
いたと窺える。

つまり、オバマ大統領の「生の声と本音」は聞けないままの広島訪問だった。
被爆者たちは満足できたのだろうか。

作家 津島稜