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「ポケモンGO」とオヤジ

「近ごろの若い奴はマナーがなっとらん」「優先座席で足を広げてスマホをしとる」とか不機嫌そうに愚痴を
繰り返していたオヤジが、つい最近スマホを手に持ち、じっと俯いたままスマホの画面に見入っている。

これは、いつも日暮れに立ち寄る居酒屋での風景だった。

「歩きスマホ」「自転車スマホ」など、しょっちゅうオヤジのスマホ批判を聞かされてきた私は奇妙な気分に
なった。

いい年をしてそんなことが面白いのかと尋ねると「あのな『ポケモンGO』って知らんか?」とオヤジは呆れた
ような顔をした。

「ポケモンGO」というスマートフォン向けのアプリが話題になっていることは知っている。
海外で“爆発的“なブームになっているようで、外国の若者たちがスマホを見ながら歩き回っていたり、
はしゃぎ声をあげている映像ニュースを何度も目にした。

私は流行のスマホゲームに興味はないし、スマホも持っていない。
使っている携帯電話は、いわゆる「ガラケイ」だ。このオヤジも私と同じだと思っていた。
それが、還暦も過ぎてからスマホを手に入れ、しかめっ面をしながら「ポケモンGO」に夢中になるとは
呆れてしまう。

「そんなことを言うけど、ひと昔前は『スーパーマリオ』とか『インベーダーゲーム』をしてたやないか」

たしかに、私も少しばかり若いころは、物珍しさもあってテレビゲームに熱中したこともある。
しかし、子供じゃあるまいし、大人であればそんなゲームにうつつを抜かしているバカバカしさに気がつく
だろうに…。

「大人であろうが子供であろうが、熱中できることはええことやないか」
オヤジは私の嫌味に耳を貸すこともなく、スマホの画面から目を離さない。

配信元の会社は、交通事故の危険、他人の迷惑にならないようになど注意喚起をしているらしいが、
街中のいたるところでスマホ歩きしている人の群れには空恐ろしさを感じる。

「うちの嫁さんと友だち連中も、それだけやない、学校の先生もやっとるで」

そんなことを言われても、私には大して興味が沸かない。

「早よ覚えんと時代に遅れるぞ」

オヤジは苦笑いを見せたが、私は何も喋る気がしなくなった。

作家 津島稜