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橋下・新大阪市長

予想通り、
大阪市長選挙で「維新の会」を主宰する橋下徹氏が、圧倒的な人気で勝利し、新市長に選ばれた。
「維新」とは、中国の古典「詩経」からの言葉だということで、辞書によると変革の意味とある。

古来「維新」を標榜した例は多いが、
われわれに馴染みがあるのは「明治維新」で、徳川幕府を倒して新政府を立ち上げた歴史は誰もが
知っている。
これを平成に置き換えれば、幕府が自民党政権で、それを踏襲するに過ぎなかった民主党政権に
対して変革を求めるのが「維新の会」と見るべきか。

江戸幕府は、武家が権力を握った社会だった。
武家=官僚という図式で、
平民との身分格差という人事をはじめ、法律(諸法度)、財政(年貢)、警察(奉行)というように、
今日の官僚機構と酷似した体制になっていた。
そのそれぞれにお役目(権限)があり、周辺に商人が群がっていたのも同様である。
この百年間で、日本政府が築きあげたのが、官僚制度だと指摘しても過言ではないだろう。
上司から部下へ、先輩から後輩へと、実に細密にシステムが作り上げられている。
官費は100%税金であるから、いったん国庫へ入ってしまうと、一般人には、税金の使途や流れが
見えない。
自分たちの保身と将来の安定については、官僚は貪欲である。
職務手当などの賃金体系や退職後の天下り先の設立という税金の無駄遣いが批判されている。

しかし、それは一般人の視点での不合理であって、官僚サイドからみると、
これほど有効な使途はない。
(その「役人天国」の具体的な姿が、明らかにされたのはつい最近のことだが)

大阪市政は、国政に比べると規模は小さい。
しかし、その内部組織は極めて高度な官僚機構になっている。
さらに、各部局の権限が緻密に細分化され、独立した財政管理を行っている。
そして、各部局の事業に群がる業者たちの既得権益…
お役人の恩恵を受けない多くの市民には腹立たしいことこの上ないが、
市職員にとっては、長い間当然とされてきたし、外郭団体も含めると、有難いことだろう。

橋本新市長は、
市民サイドからの視点で、こうした積年の弊害を打破すると公言して、選挙活動を行った。
「大阪都構想」は府と市の二重行政、二重会計のムダを指摘し、さらに大阪市の各区を再編成する
というものだ。
その構想に多数の市民が共感し、期待して新市長に選出したに違いない。

だが、それが困るという市民も多かったのは事実だ。
その人たちは、現体制が良いと判断したのには、当然ながら理由がある。
市職員の家族、縁者、OB職員たち、市の事業の恩恵に浴している多くの企業や業者、
そして民主、自民などの政党関係者だ。彼らの相互関係は、深く、根強い。
短期間で、その関係が崩れるとは考えがたいと思える。

21世紀の「大阪維新」。
新市長は、どこから手をつけて「変革」を実現するのだろうか。

作家 津島稜