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大震災から1年

待ち遠しかった春が来た。
サクラが咲き始めると、誰もが心の浮き立つようになるのが、日本人だろう。
街には、花見の案内やイベントがかまびすしい。
古来、歌に詠まれ、絵画で表現されてきたのは、
季節の移り変わりを、サクラによって歴然と実感できるからなのだろう。
あの東日本大震災から一年が過ぎた。東北各地にも、もうすぐサクラが咲き始める。

だが、被災地、被災者にとっては信じられないような現実が、未だに眼前に広がっている。

私ごとき人間には、一瞬のうちに住居、家財道具、仕事場、そして最愛の家族が消滅してしまう
ようなことは想像すらできない。
だが、悪夢でもないそうした現実とともに、毎日の時間を過ごしている人が、何万人といる。

この一年で、日本は国土の大きな部分を失ったことになる。
その復興には何年かかるのだろうか。巨大な防波堤が必要だという人がいる。
高い避難場所を何ヶ所も建設しなければならないという人もいる。
果たしてそれが実現できたとして、その土地で人々は安眠できるとは考えがたい。
それほど、大津波の「想定外」の高さが、われわれに深刻なトラウマになってしまった。

思えば、人間とは愚かなものだ。
「大震災を教訓に」という掛け声とともに、日本中で防災意識が高まり、海岸沿いの町では、
すぐにでも大津波が押し寄せてくるような危機感が募ったようだ。
「想定外の災難」とは、分かりやすそうで難しい言葉だ。

最近になって、
東南海巨大地震の津波の高さが、高知県で34メートルを超えるという予想が発表された。
その瞬間から、これまで「想定以上」の高さが必要として20メートル規模の大防波堤建設を
計画していた各自治体の関係者は「もっと高くしなければ」と大声をあげる。
マスコミも沿岸住民の不安を煽るが、そんな巨大な防波堤を建設するのにどれほどの経費と時間が
必要になるのか。
そして、この次には「高さ50メートルの津波が押し寄せてきたら」と、誰かが声を上げるに違いない。

はるかな昔には、宇宙からの巨大隕石が地球に衝突したし、
太陽の爆発で気候が激変したこともあったらしい。
それらを人間の力で防ぐことは不可能だ。だからこそ天災と言うのではないか。
はなはだ不遜ではあるが、東日本大震災はわれわれの運命と受け止めるしかないと思う。
重要なことは、眼前の現実を、日本人全員の力で解決しなければならない。
これも運命だろう。

作家 津島稜