「包装」を通じ、あらゆる産業に貢献します。
>>トップページ  >>>NEWS  >>TOPページ
 ・新商品情報
 ・エンゼルコフィン
 ・ほかんくん
 ・宮下隆二のコラムTOP
 ・津島稜の世相を斬るTOP
 ・News VoL.1〜VoL.20
 ・News VoL.21〜VoL.40
 ・最新のNews一覧
 

コスモタワーとピラミッド

元大阪市の助役で、USJの社長も勤められた佐々木伸氏の夫人が5月末に亡くなられ、
その通夜に参列した。
夫人はフランス人で、佐々木氏との熱愛は、関係者にはよく知られている。
氏の落胆ぶりは表現が難しいほどで、未だに身につまされる。

佐々木氏といえば、多才なことでも有名で、推理小説を著したり、ワインのソムリエとしても一流だ。
氏の助役時代、舞洲や咲洲の造成、世界帆船祭り、海遊館の建設に深く関わるなど
多くの功績を残している。
まさにバブル景気の絶頂期で、多くの「ハコモノ」の発注者でもあった。

現在の大阪市であれば「大変な無駄遣い」と批判を浴びるかもしれない。
その代表的なものが、
咲洲のコスモタワー(大阪府咲洲庁舎)であり、周辺のコスモスクエア一帯の施設群だろう。
まさしく「無用の長物」と批判を受けたことは記憶に新しい。

コスモタワー(旧名称:WTCビル)は地上256メートル、55階建ての巨大なビルである。
大阪府、市の関係部局や外郭団体が入居しているが、当初の第3セクター方式が破綻し、
甚大な負担を残したままになっている。
交通アクセスは決して便利とは言えないし、時間も経費も合理的でないため、
利用価値は極めて低いと断言できるだろう。

佐々木氏らのプランとは、大きく外れてしまったのは、誰の責任になるのだろうか
歴史的な大失敗」と酷評する人がいる。たしかに、現在の視点ではそう酷評されても仕方がない。

しかし、と思うこともある。

例が適当かどうかは別にして、エジプトのピラミッドはどうだろう。
古代エジプト文明のシンボルであり、世界中から多くの観光客が訪れている。
おそらくこの先、何年も何年も観光名所のトップの座を譲らないだろう。
このピラミッドは王家の墓であることを説明するまでもないが、
あのクフ王のピラミッドが完成するまでにどれほどの時間と労働力が費やされたのか。
たった一人の王様のために、人々は凄まじい労役を強いられ、夥しい数の犠牲者が出たに違いない。 (何でこんな目に合わされるのか)と、労役に借り出された人は苦しんだはずだ。

将来、コスモタワーは観光名所になれそうにもないが、その建設に費やされた途方もない
「無駄」には共通するものがある。
「屁理屈」のそしりは免れないにしても、この無駄のシンボルをどのように後世に活用し、
価値のあるものするかは、これからの課題になる。

大阪のトップに座る人物の知恵か、企画力によっては、
素晴らしい財産に変貌する可能性があると思う。

ひょっとして、千年後には大阪人が誇るシンボルになっているかも

作家 津島稜