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「闇の守護神」

知事選は落ち着いたが、まだまだオリンピック招致と、東京は忙しそうだ。
不動産、建設業界はにわかに活気を呈してきたようで、
ミニバブルの到来かと「捕らぬタヌキの…」と目論んでいる業者も多いらしい。

それに比べると大阪を中心とする関西経済界は、底冷えからなかなか抜け出せないようだ。
多くの業界で弱気な発言が目立つのも仕方がないかもしれない。

もう二十年以上にもなるバブル期に活躍(暗躍?)した面々もすっかり元気がないままで、
会話の内容もスケールが小さい。

そんな中で忘れられない人物がいる。田中森一氏。まだ多くの人の記憶に残っていると思う。
大阪地検、東京地検の特捜部の辣腕検事と評価され、
とくに東京地検で上司、同僚と衝突を繰り返したあげく、あっさりと退職し弁護士に転進した。
その直後から、有力暴力団や怪しげな大物フィクサーなど裏社会組織の顧問を引き受けて
「闇の守護神」と呼ばれるようになったのは有名な話だ。

その結果「石橋産業事件」で、共犯とされ東京、大阪両地検に刑事訴追されてしまった。
懲役七年という有罪判決を受け、滋賀刑務所で服役。
しかも、その間に胃がんに犯され、生死の境をさまよったという壮絶な人生を歩んだ人物だ。

入獄前に著した「反転」(幻冬社)は、赤貧の幼少時代から始まり、
特捜部の暗部などを描いて司法界はもちろん一般社会にも大きな反響を呼んだ。

その田中氏が、獄中で構想を練った「塀のなかで悟った論語」(講談社)も話題になっている。
孔子の教えである論語を氏の視点で、分かりやすく解説した内容だが「闇の守護神」の印象を
持っている人は、その真摯な表現に驚くだろう。

私事ながら、田中氏の大阪地検特捜部時代に知己を得て、
以来、酒飲みの悪友のひとりにしてもらっている。
世間の風評はともかく、
私個人の「田中像」は、ひとことで言えば「負けん気の強い正直な田舎者」(失礼)というところか。
さらに私事ながら、拙著「封印―警官汚職」(角川書店)に、
大阪時代の田中氏の人間像を詳述しているので、よほど暇をもてあましている人がいれば、
一読をお願いしたい。意外な個性に驚かれると思う。

田中氏は現在、国内各地で講演を続けている。
小躯な人だが、厳しい視線は検事時代と変わっていない。
その一方で気さくな人柄と語り口は、聞く人の興味を引くはずで、
機会があれば講演会に足を運んでいただくようお勧めする。

作家 津島稜