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貧者の一灯

春は納税のシーズン。
中小企業や個人事業者にとって「確定申告書」の提出は、頭の痛い作業である。

私ごとき貧乏人でも一年分の領収書をかき集めたり「租税公課」や「外注費」「支払調書」など、
普段使うことのない言葉を何度も口にしなければならず、
おぼつかない手つきで電卓を叩くのは我ながら情けない。

今年から「復興特別所得税」という科目が登場した。
あの東日本大震災の復興に要する資金を捻出するための税だ。
国税庁によると「所得の2.1%」がそれで、数字的には大した金額ではないように感じさせられる。

だが、数千万の納税者に一律に課せられるから、国庫に入る金額は膨大なものになる。
東北地方の被災者の援助になるという主旨らしいから、同じ日本人として反対する人は少ないはず
だ。私も小額ながら「貧者の一灯」を納めた。

問題は、その復興資金の使途、資金の流れにある。

口癖になってしまったが、
放射能の除染、広大な土地の整備、公共施設や住宅の建設や修理、生活資金…
大規模な公共工事やプロジェクトの場合と同じで、発注者、受注業者、元請業者、下請業者という
おなじみの図式だ。
そこでは莫大な「ピンハネ」が横行し、うがった見方では官製談合や贈収賄も想像できる。

東北の地元企業を優先的に受注させると政府は言うが、果たして実行されているのだろうか。
現場で働く人たちは「郷土のため」「安全な町の実現」と、ボランティア精神で汗を流している。
その姿を首都圏在住の政府高官たちは間近に見たのか、どうか。
新人の参議院議員が物見遊山気分だと批判を浴びたのは記憶に新しいが、
首相にしても何度、被災地を訪れたのか知る由もない。

毎年、被災地を訪問されている天皇陛下ご夫妻には頭が下がる思いになる。
日本人の全員が早い時期の復興を願っていることに間違いはない。
そう思っていたら、最近のマスコミでは「風化」という言葉が頻出するようになった。
それは対岸の火事見物に飽きた野次馬と同じ視線ではないか。
少なくとも放射能汚染に風化はない。

「貧者の一灯」も無数に集まれば、赤々と被災地を照らしてくれるだろう。
この「復興税」が有意義になるよう心から願う。

作家 津島稜