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小保方嬢の涙

某私大の女性教授に誘われて、高名な弁護士の事務所を訪問したときのこと。
たまたまテレビでSTAP細胞で時の人となった小保方嬢の記者会見が中継されていた。
「お、評判通りの可愛い子やな」と弁護士(高齢の男性)。
「まあまあね」と女性教授(社会学専門の熟年女性)。

世界的に注目を浴びた論文に不正や疑惑があったとされ、沈黙を続けていただけに、
この日の会見は百人以上の記者やカメラマンが詰めかけていた。

理化学研究所(理研)の調査で、小保方嬢の提出した論文が盗用したものだとか、
画像が捏造とか指摘されたための釈明で、彼女は「私のうっかりミスと不勉強で誤解を招きました。
でも、ミスは故意ではないし、STAP細胞はウソではありません」と困惑した表情で訴えた。
その目に涙が浮かぶと、テレビカメラは当然アップで顔を写す。
「この種の問題を法律的に判断するのは難しい」と弁護士。
「これがウソやったら、この子、大したもんやわ」と女性教授。
長時間に及ぶ会見にも拘わらず、
小保方嬢はさまざまな質問に、丁寧すぎるほど真面目に応答していた。
こうした場面の経験がなかったことや、素直に答えようとするのは彼女の性格なのだろう。

私などは、物理化学や数学は学生時代から「0点」同然の成績だったから、
ましてパソコンソフトの名前が並ぶと、頭は「STOP細胞」になる。
だが、万能細胞を作ることが可能であれば、医学的に素晴らしいことであり、
夢の実現になることぐらいは理解できる。

ただ、会見で学術的に専門の内容を分かりやすく説明できる場面が少なかったのは残念だ。
それは記者の質問の仕方に原因があったと感じた。
とくに週刊誌、スポーツ紙、フリージャーナリストの質問は不愉快なものが多かった。
「割烹着姿(エプロン)」の実験風景やプライベートなことなど、
小保方嬢を揶揄するためだけの質問には、弁護士も「バカなことを聞くなあ」と呆れ顔になり、
女性教授は「私もピンクのエプロンを着て講義をしようかしら」と苦笑いを見せる。

会見を聞き終えた二人の感想は「名誉毀損や著作権の問題があるにしろ、
彼女の論文をきちっと検証しなかった理研と周辺の学者どもが無責任だ」(弁護士)と
「立派な研究成果かどうか知らないけど、アイドルじゃあるまいし、チャラチャラしすぎ」(女性教授)と
対立。さらに弁護士が「リケジョ(理系女子)と言うらしいね。
頭が良さそうだし、美女が涙を流すのには心が打たれる」と余計なことを言うものだから、
女性教授は「ええ、どうせ私は文系だからブケジョですよ…もう、今からでも悔し涙なら流せます」と
雲行きが怪しくなってしまった。

「まあまあ」とその場を誤魔化したが、やはり、女性の涙には騙された、あるいは従った方が無難だと
、正直なところ私も弁護士とよく似た感想、でした。

作家 津島稜