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「美味しんぼ」騒動

どうも最近のニュースは首を傾げるものが多い。
例えば30年間も続いている「美味しんぼ」(小学館)という連載漫画に対する批判や批評だ。

その漫画で福島の原発事故に関係して、作中で原発事故が起きてから福島県では鼻血を流す人が
多いなどという記述があり、それが「誤った風評を流す」とか「事実のように表現するのは問題だ」と
批判が集中している。

県知事は記者会見を開いて「まことに遺憾」などと風評被害を消し去ろうと懸命だ。
政府までもが異例の談話を発表し、マスコミの論調も、この漫画の表現に批判的なものが多い。
そのマスコミに、例によって識者やコメンテーターが「事実と違う情報を読者に与える」
「根拠もないのに無責任だ」などとうるさい限りだ。

作者は、自身の「取材」に基づいて描いたと主張しているようだが、
原発事故後の福島は、客観的に見て鼻血を流している人が、あちこちにいるというのはウソだろう。
もし、その通りだとすれば「事実」を報道するマスコミが、これまでに何度も取り上げ、
社会問題になっているはずだ。
福島に行った知人から鼻血の話を聞いたこともない。

だが、医学者に言わせれば、たしかに多量の放射線を浴びると鼻血を出す可能性が
極めて高いらしい。ただし、鼻血だけでなく身体の各部、各器官に深刻なダメージを及ぼす。
それはそれとして、作者と出版社は反論を試みていたが、
これ以上世論の批判を浴びるよりは、事態収拾に方向転換したほうが得策と分かったようだ。

「美味しんぼ」という漫画は料理や食材について登場人物がそれぞれの含蓄を披露し「究極」とか
「至高」のメニューを目指すというストーリーのようだ。
私も若いころに何度か目にしたことがある。
作者は作品の中で多くの問題を提起したらしいが、私には余り関心がなかった。
作者の意図も理解していないので軽々なことは言えないにしても、
政治漫画や思想・宗教漫画ではない。若者向きのいわゆるコミックだと思う。

その漫画に表現されたことが大きな問題になるのは、多数の愛読者がいる人気作品だからに
違いない。だが、作者には失礼かも知れないが、所詮、漫画の世界である。
もちろん世間に出版される以上はそれなりの良識・常識的な表現は必要だ。
それにしても無数に氾濫している他の漫画の表現はどうか、小説にしたってそうだ。
極めて非常識、反社会的な表現も指摘すればきりがないだろう。

いずれにしても、またぞろ「表現の自由」とか「人権問題」などという世界に、
この問題を引っ張り込まないでもらいたい。
そう言えば、よくも悪くも、この騒動は大きな宣伝効果を上げ、
漫画誌の売れ行きが急増するに違いないと思うのは貧乏人の僻みか。

作家 津島稜