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元旦の雪

京阪神の都市部で、元日早々の積雪には驚いた人が多かっただろう。

私も長年、大阪で生活をしているが、元日の積雪は何十年も記憶がない。
北国に住んでいる人たちには当たり前の景色だが、雪は南国の人たちにとって非日常的で新鮮なものだ。

これは日本に限らず欧米を始め諸外国でもよく似たところがあるようだ。
南半球を除き、冬の代表的イベントはクリスマスで、サンタクロースと雪がつきものだ。
美しさという印象で、雪をテーマにした芸術作品も多い。

日本で雪を題材にした作品と言えば川端康成の「雪国」が思い浮かぶ。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった…」という書き出しは多くの人が知っているはずだ。
雪深い里で長い冬を過ごさなければならない人たちとは異なり、雪景色が珍しい東京や大阪の都会人の
感性と視線で文章が綴られている。

ノーベル賞作家の感性や視線にさらさらクレームをつけるものではないにしろ、雪という自然現象に関して
は、欧米諸国も含め「美しい」「珍しい」という印象で表現されることが多いようである。
それは雪害や非常な寒さを経験することの少ない人、日本で言えば東海道沿いの大都市住民の感覚と
言えるのではないか。
東京・皇居の二重橋、名古屋城の天守閣、京都の金閣寺などの初雪は新聞やテレビの定番だ。

私を含めた京阪神の住民は、新年を雪景色で迎えた。
それは「美しさ」「清廉さ」を象徴しているのかも知れない。
昨年までの汚れや醜悪なものを一切、包み隠してくれたと思いたい。
今年は降雪が多いという気象観測もある。

やがて雪解けの季節を迎えたとき、雪の下から再び昨年の汚れが現れないよう、首都圏や京阪神の
人々は汚れを取り去る準備をするべきではないか。東北の大震災の教訓はまだ忘れられない。
復興が実現し、緑の芽が吹き出す雪解けを一日でも早く迎えられるよう、多くの人の努力を期待する。

真っ白な景色、真っ白な気持ちで迎えた新年は、多くのこと、大切なことを私たちに教えてくれているような
気がする。

作家 津島稜