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外国観光客

ゴールデンウィークに海外へ旅行に出かける人たちも多いが、例年のように京都や奈良は大勢の観光客で
賑わった。とくに今年は大阪でも外国の観光客が目立ったようだ。

中国の旧正月(春節)の連休で、中国人観光客が京都、奈良よりも大阪のデパートや電気器具の商店街で
「爆買い」をして、メディアやネット上で話題になった。
それが欧米や東南アジア諸国でも注目を集め、一般的な名所・旧跡見物とは別にショッピング目的で
大阪を訪れる外国人が増えたらしい。

観光地と言えば、歴史、文化、美しい風景が定番だが、大阪は古くから商売の町であり、
観光産業よりも経済に重点を置いたビジネス都市として発展してきた。
しかし、経済の中心は首都圏に集中し、大阪は札幌や名古屋、福岡と同様の地方経済圏の中心都市に
なっている。

「大阪は元気が無くなった」と言われて久しいが、交通手段の驚異的な発達によって、諸外国との時間的な
距離が一気に縮まってきた。
中でも後進の発展途上国と言われた東南アジア諸国の経済が発展し、国民の収入が増えたようだ。
この時期、台湾やタイなどの国でも大型連休があるようで、ゆとりが生まれた人たちが関西を訪れた。
その人たちを狙って大阪のデパートや商店街は工夫を凝らした。
大阪の経済界も京都、奈良、神戸と協力して外国人を視野に入れた「観光産業」に強い興味を示し始めた
と言えるだろう。

それはそれとして、街中や電車内でも外国人の姿が目立つようになった。

ゴールデンウィークが終わるころの或る日、京都へ向かう電車の中での出来事だ。

私が乗った車両にも何組かの外国人のグループが乗り合わせていた。
ラッシュ時ではなかったので混雑はしていなかったが、多くの人が立っている状況だった。
私は「優先座席」に近い所に立って車内を眺めていた。

次の駅で夫婦らしい高齢者が乗り込んできて、優先座席の前に並んだ。
その席には若い男らが座っており、例のごとくスマートホンをせわしく覗いたり指を動かせたりしていた。
高齢者に視線を向ける気配もない。
私が不愉快な気がしていると、座席の端に座っていた若い男女が立ち上がり「ドウゾ、ドウゾ」と
外国人の訛りがある声で老夫婦を手招きした。
老夫婦は遠慮したが、若い男女は同じように「ドウゾ、ドウゾ」を繰り返した。
私が「せっかくだから座ってください」と声を掛けると老夫婦は丁寧に頭を下げて空いた座席に座った。

その間もスマホの男は無関心のまま。

若い男女は立って会話をしていたが、その内容は分からない。
東南アジアから來阪した感じがして、若いカップルを見ていると、二人は京都駅で降りるさい「サヨナラ」と
老夫婦に笑顔を見せてくれた。外国からの観光客で「爆買い」をした中国人のマナーが非難されたが、
このカップルの笑顔には心が癒される思いがした。スマホの男とは大違いと言える。

世界でもトップクラスと言われる日本人のマナーの良さを守って行きたい気になった。

作家 津島稜