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頑固オヤジ

「頑固オヤジ」という言葉を聞くと、どこか懐かしい気になる。

いかにも職人肌で、他人の言うことには耳を貸さず、自分が思い込むとテコでも動かない。
若造を馬鹿にし、古い伝統やしきたりに固執する一本気な男性で、周囲に気を使うという融通もなさそうだ。
もちろん女性にはこの言葉は無縁だ。

その反面、心の底では気に入った人間に対して優しさがあり、自分の欠点も分かっている。
「頑固オヤジ」にはそんな愛すべき性格もあるようなイメージだ。

しかし、そのオヤジの周囲の人間にとっては扱いにくい人間であるようだ。
ここで思い出すのは、2020年の東京オリンピックの組織委員長である自民党の森元総理。
甚だ失礼は承知しているが、テレビに映し出された元総理の雰囲気は東京都民、そして国民に対して
典型的な「上から目線」になっている。

東京オリンピック開催については、建設費などであまりにも莫大な予算で多くの国民を呆れさせた。
なかでも国立競技場の建設計画については経費が2千億とも3千億円とも言われ、無計画を強く糾弾され
た。大多数の人が、こんな馬鹿げた話があるものかと怒るのは至極当然。
責任の所在は不明で、文部科学大臣、五輪担当大臣をはじめ、建築家、デザイナーのほとんどが自分の
責任を全く認めなかった。

結局、安倍総理の「ツルのひと声」で国立競技場の建設計画は白紙に戻ってしまった。

オリンピックの前年にラグビーのワールドカップを同競技場で開催する予定だったため、
その関係者はとんだ迷惑を蒙ることになり不満が噴出。
ラグビー協会の会長が森元総理だったため、内閣も官僚も困惑し、元総理を説得できるのは総理大臣で
しかないということだったらしい。

東京オリンピックの開催を世界各国はもちろん、多くの日本人が楽しみにしていることに間違いはない。
しかし、今回の一連の騒動で「やっぱり」と明らかになったことがある。
それはオリンピックという千載一遇のチャンスに群がった業者と、癒着関係にある議員や官僚たちの正体だ
った。1964年の東京オリンピックは不思議なことに巨費を投じても反対の声は湧き上がらなかった。
新幹線、高速道路整備などは国民の期待を実現してくれた。

だが、今回のオリンピック開催は当時と社会情勢も環境も全く違う。
国民の税金を自分の金のように、しかも湯水のように使う感覚は、50年にわたる日本の政治家と官僚の
DNAになってしまっている。

森元総理は、古い時代のマスコミ界から政治家に転身し、多くの権力を手に入れた人物である。
十年前ごろまではユーモアもあり、ラグビー好きでスポーツマンらしい行動も目立った。
このあたりで、あの苦虫を噛み潰したような表情でも構わないから、胸のうちに良識を秘める「頑固オヤジ」
に戻って欲しいものだが…。

作家 津島稜