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オリンピック競技場は…

暑さで夜明け前に目が覚めて(たまには…)と思い立ち、散歩に出かけてみた。

公園に近づくと、驚いたことに歌声が聞こえ、あちこちの細道から高齢の男女が走り出てきた。
(走るといっても、せいぜい早足程度だが)。

その公園で10人ほどの男女が集まって歌を歌いながら軽い体操をしていた。
日が昇るまで時間を過すのだろう。私に声を掛けてくれる人もいたが遠慮して公園を離れた。

早朝の道ではジョギングをする男女や、犬の散歩をする人たちとすれ違い、それぞれに運動を楽しんで
いることを教えられた。

公園で会った老紳士が「皆が集まって運動できる場所があるのは嬉しい」と言っていたことを思い出し、
東京オリンピックの競技場問題が頭に浮かんだ。

何がどう素晴らしいのかは別にして、あの現代的、未来的デザインは注目されたようだ。
しかし2000とか3000とか億単位の途方もない金額を当然のように決定したのは、我々の感覚では
馬鹿バカしさを通り過ごしている。

あの公園の老紳士、淑女たちは年金生活の人も多いだろう。
1万円、2万円という切り詰めた毎日を送っているはずで、贅沢や浪費を楽しんでいる人は滅多にいない。
彼らに限らずほとんどの労働者も同様で、夫婦や家族が協力してつましく、無駄遣いをしないように
注意しているに違いない。

そういう庶民の視点から見れば、一連の予算案がいかに無責任に策定されたかがよく分かる。
組織委員会や関連する団体、政治家や一部の官僚が非常識極まりない数字を当たり前のように承認した。
著名な建築家や学者など、その人間性や感覚を疑われても仕方がないだろう。
人の金、つまり国民の金(税金)を勝手に使い、それに群がる業者との癒着も見えてくるのはおなじみの構図だ。
有識者か何かは知らないが、そんな連中がニヤついた表情で話し合っていたのかと想像すると余計に
腹が立ってくる。

そうした経過や関係者の動きがマスコミ報道によって明らかになってきた。
私は滅多に最近のマスコミを褒めないのだが、このオリンピック競技場の問題については評価できる。
それはともかく、競技場の建設計画は白紙に戻された。
せめてもの救いだが、すでにデザインの設計費などで100億円近い経費が支払われているという。

政府は主管たる文部科学大臣のほかオリンピック担当大臣を決めて、
早急に合理的な計画を進めようとしているが、果たしてどうなるのか。
両大臣の説明などを聞いても、相変わらずのような気がしてならない。
要するに過大な期待をしないほうがいいのかも。

多くの人がスポーツを好み、楽しめる施設、空間を創りだすことが第一義だろう。
早朝の公園で会った老紳士の言葉が忘れられない。

作家 津島稜