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甘利氏の見事な計算

相変わらず騒々しく、魑魅魍魎が跋扈している政界に、またもやカネに絡むスキャンダルが噴き出した。

あのTPP会議の交渉で合意と調印までに尽力して名を上げた甘利経済再生担当相の政治資金問題だ。
週刊文春のスクープとして一気に世間の注目を集めたのは多くの人が承知しているだろう。

その記事によると、建設会社の幹部が甘利氏と秘書に多額の現金を手渡し、同社のために便宜を図って
くれるように依頼。そのさいの経緯を録音するなど用意周到に証拠を保存していたというものだった。

この暴露記事により、甘利氏はかなり動揺したに違いない。
このタイミングで国会が開催されており、憲法や安保問題、予算案などについて審議が始まろうとした矢先
だった。
早速、野党からの追及にあった甘利氏は「記憶があいまい」としながらも「しっかりと説明責任を果たす」と
答弁した。

安倍首相や政府幹部らは甘利氏から事情を聞いただろうし、野党は大チャンスとばかりに攻撃の作戦を
練ったに違いない。

そして1週間後、甘利氏は金銭授受の一部を認めたうえの記者会見で「閣僚を辞任する」と表明した。
要するに「秘書に任せて自分は知らない」という無責任な内容で、用意してきた原稿を棒読みし、
しばらく間を置いたあと「政治家としての矜持」などと声を詰まらせ「閣僚を辞任する」と頭を下げた。

これはマスコミや野党の予想外だったようで、直後からマスコミはあれやこれやと政治担当記者の分析や、
評論家などの「サプライズ」を報道した。
民主党を始めとする野党も核心を突いたような論調を見せられなかった。
だが、この辞任発表の会見は「サプライズ」ではないはずだ。
それは、あの原稿の棒読みを注意深く聞いていれば分かる。

問題点は2つだ。
その@は、不正な現金の授受はすべて秘書の責任にしていること。
そしてAが肝心。
甘利氏は、調査が元東京地検特捜部の弁護士によるものと何度も繰り返した。これは何を意味するのか。

答えは…秘書ら関係者への聞き取り調査はすべて元特捜検事だった弁護士が行っており、甘利氏はまっ
たく関与していないということ。つまり「甘利氏の証言」はゼロということだ。1週間の時間をかけて安倍総理
や政府関係者、弁護士らと綿密な打ち合わせを繰り返し、あのストーリーで発表会見に臨んだはずだ。
これは刑事事件として立件された場合に備えての弁護士の知恵だろう。
「事件」に関して甘利氏の供述証拠や証言が無いということになる。

そしてマスコミは「潔い」とか「責任を認めた」と評価すらする論調だ。
この作戦は安倍内閣の思惑通りに違いない。いやはや恐れ入ると思うのは私だけだろうか。

作家 津島稜