「包装」を通じ、あらゆる産業に貢献します。
>>トップページ  >>>NEWS  >>TOPページ
 ・新商品情報
 ・エンゼルコフィン
 ・ほかんくん
 ・宮下隆二のコラムTOP
 ・津島稜の世相を斬るTOP
 ・News VoL.1〜VoL.20
 ・News VoL.21〜VoL.40
 ・最新のNews一覧
3/24
 

社長夫人の熱演

3月の初め、西宮市内でアマチュア劇団の公演を見学する機会があった。

出演する俳優は50代から70代の男女で、もちろん全員が素人だ。

暇な時間のある婦人や、定年退職をした男性、地域との交流を楽しもうというような人たちの集まりだろうと
思っていた。プログラムを見ると、若手らしい作家で、高名な演出家の名前も見当たらない。
演目は懐かしく古いものではなく、オリジナルの現代劇だったのが予想外だった。
しかし、それを高齢(失礼)の素人俳優がどのように演じるのか興味もあったが(まあ、若さもエネルギーも、
あんまり期待せんとこ…)というところが本音だった。

公演時間は午前11時か午後8時までで、合計5種類の作品が上演された。
5つのグループがそれぞれの演目を演じるのだったが、すべて現代劇で、演出家も全員が先鋭的な個性の
持ち主のようだった。(へえ)と感心したものの、舞台で素人がどれだけ反映できるのかと懸念する気持ちも
あったのが正直なところと言える。

私が、この公演に行くきっかけになったのは、実は、シンワの社長夫人がこの劇に出演しているという
別の意味での興味があったからだ。

ところが当日、その公演会場へ行って、驚いた。
会場は市の市民会場の一室といえども広い会議室で、観客は100人以上の席が用意されていた。
照明や音響はともかく、小道具や飾りつけもすべて劇団員の手作りというのが面白い。

さて、社長夫人が出演したのは1番目の作品で、津川泉氏の「ジル」というサーカス団の内幕を描いたもの。
私は、夫人が上手く演じられるか、セリフを忘れはしないかなど余計なことを胸に秘めながら開幕の時間を
迎えた。

「ジル」というのは主人公の名前で、少々発達障害のある少年に関わるどこか怪しげな人間模様がテーマ。
夫人の役どころは、金貸しで隻眼の悪役というなかなか難しそうなものだった。
ところが、彼女は黒い眼帯をつけたまま、男性の姿でステージを動き回り、セリフもよどみがなかった。
出番も多く、動作や視線、声もよく通り、この重要な役どころを見事に演じきったのには恐れ入った。

日ごろの夫人の明るい性格や優しい表情を見慣れている私にとって、見たことがない表情、鋭そうな視線は
新鮮な感覚を覚えさせられたものだ。

聞けば、稽古は数ヶ月にわたって続けたそうで、長いセリフや細かい動きまでかなりの努力を続けたに
違いない。お世辞抜きで才能すら感じさせられる。

公演は年に1回だそうで、シンワの社長も社員も楽しみなことだろう。

作家 津島稜