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「五体不満足」

ゲス・ナントカというグループの茶髪ボーカリスト、妻の妊娠中に浮気を繰り返した見るからに軽薄な
若手代議士、などなど、バカバカしくて不愉快な不倫報道には辟易した。
そうした連中の人間性や非常識をスクープとして報道する週刊誌。
それを浅知恵まる出しのコメンテーターの解説で世論を代弁するかのようなワイドショーは、低俗の極みと
言ってもいいだろう。しかし、そうしたメディア番組を見ていた私自身が、実は最も恥ずかしい。
所詮、男と女の個人的な問題で他人には「どうでもいいこと」なのに。

そうこうしているうちに、今度はあの「五体不満足」という著書でも知られる乙武氏まで登場して、思わず
顔をしかめてしまった。

妻子にウソをついて数人の女性とのスキャンダルを週刊誌に報じられ、その直後に素早く記事の内容を
認めて謝罪文を公表。同時に彼の妻の「私にも責任が…」というコメントも発表した。

これについては、例によって「奥さんが可哀そう」「選挙対策やろ」などと賛否両論があったが、
世間の評価は冷ややかなものが多かった。

それはあながち的外れと感じていない人も多いはずだ。
つまり、乙武氏が夏の参院選に出馬したいという志向が透けて見えているからだろう。
もしこのスキャンダルがなかったら、自民党候補として彼は有力で、おそらく高い確率で当選したはずだ。

国会議員という身分は、たしかに魅力的だ。
歳費、年金など、数多くの特典は家族にとっても何よりも安心と優越感も与えてくれる。

身体に大きなハンディを持った一家の主人に愛情とともに不安を持つ妻。
数人の子どもが成長するにつれ母親として養育費や健康などに気苦労が耐えない。
それを、二人が短い時間で考え続けただろう。
妻にしてみれば、将来の生活を思うと個性的な教育者、作家、タレントである夫より、国会議員のほうが
はるかに有り難い。

そうしたことを夫婦で考え、今度のスキャンダル報道のピンチを免れる方法の中で、妻が、夫と自分の将来
のために「私にも責任が…」というストーリーに思いあたったのかもしれない。
政界か誰かのアドバイスがあったのかも知れないが、この作戦は失敗と言えそうだ。

それはそれとして、である。

乙武氏のデート場面を想像する不謹慎を許してもらえるなら、あのショッキングな上半身だけの身体で
女性に貢献できる力には頭が下がる。女性側の協力があるにしても、人間の力に感動さえ覚えた。

これまでの人生でどれほどの苦難と悔しさと絶望を経験した乙武氏に、健常者の端くれの私ごときがとや
かくものが言えるものではないが、彼が多くの障害者の皆さんに大きな自信を与えたことに間違いはない。
この小さな失敗を早く忘れて、政治でも、教育でも、作家としても活躍して欲しい。

作家 津島稜